フジワラ通信

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小型通気式固体培養装置を開発しました

掲載日:2022/11/01
カテゴリ:お知らせ
小型通気式固体培養装置を開発しました
小型通気式固体培養装置_外観2
このたび小型通気式固体培養装置を開発しました。
同装置は、実用規模の固体培養装置と同様の基質通気式品温制御を採用しています。
産業化を想定した通気式固体培養を再現性高く行うことができる製品です。また、攪拌機構を搭載しており、自動で攪拌(手入)を行うことができます。

当社では今後も心豊かな循環型社会への貢献を目指すべく、社会のニーズに対応した製品を開発していきます。

■小型通気式固体培養装置の特徴
1.小規模で高い再現性
研究段階で一般的に行われてきたシャーレやフラスコを用いた固体培養では、原料を堆積させると、微生物の活動により中心部分が過度に熱を帯び、中の菌が死んでしまったり培養が出来なかったりといった事態が生じるため、原料を高堆積させて培養を行うことは困難でした。
このため、研究段階では固体原料を薄層として培養するのが一般的でしたが、産業化を見据えると原料を高堆積させて通気を行う実用規模のテストが必要になります。
小型通気式固体培養装置は、品温制御を連続基質通風方式により、産業化を見据えた培養実験を小規模で再現性良く行うことができます。これまで固体培養を行ったことのない原料や微生物についての培養実験に最適なのです。

2.シンプルな構造と優れた操作性
小型通気式固体培養装置により、産業化につながる再現性の高い培養実験が可能になりました。菌体の増殖に伴う発熱の自動コントロールが可能で、自動制御システムにより、設定値通りに高品質な固体培養物を生産します。
また、原料投入から洗浄までの全ての工程を、一人で対応できるシンプルな構造と優れた操作性は、高い評価を得ています。

3.導入実績
小麦フスマ、ワインパミス、オリーブ葉

■固体培養技術の魅力
固体培養法は、日本の醸造文化において「麹づくり」として幅広く利用されており、酵素の生産性が高く、複数の酵素を同時に生産することが可能な技術です。液体培養法とは異なり、酵素などの生産物を精製したり粉末化したりする必要がなく、固体培養物をそのまま利用することもできます。
固体原料に、麹菌などの微生物を繁殖させることで、有用物質の生産、固体原料の高機能化、高付加価値化を達成することができます。

1.高い生産性によるものづくり
・複数のタンパク質を同時に高生産
(事例)・アミラーゼ、プロテアーゼなどの酵素生産
・有用物質を含む機能性飼料
2.物質変換
・有害物質の無毒化
・機能性の付与
(事例)・化粧品素材製造
・機能性食品製造
3.固体原料の高付加価値化
・固体培養物をそのまま利用可能
(事例)・麹、醸造食品
・未利用バイオマスの新規用途開発

■基本仕様
・容 量 : 10L/回
・堆積層厚: 100mm
・外形寸法:W2000mm×D1300mm×H2100mm
・重量 :約1000kg
・材 質 :sus304(培養物接触部及び要部)
・制御範囲: 15℃~45℃ (送風温度)、Rh80%~Rh96%(送風湿度)、20℃ ~40℃ (品温)
・制御方法:ベクトル品温制御(ワンウェイ方式)
・一次側条件:200V,50A