special

バーサテック&横中グリ盤の導入

Special 05 | 海外市場の拡大に伴い進化する工場
片山貴裕
藤原達志
楢原 岳
バーサテック VERSATECH/Mazak
EPISODE 01

海外市場の拡大に伴い進化する工場

海外市場の拡大とともにフジワラテクノアートの自社工場が進化を続けている。フジワラテクノアートは醸造機械のオーダーメイド生産を行い、80年以上になる。その技術と品質への信頼は国内だけでなく中国やヨーロッパ、アメリカにも広がり、その勢いは加速している。近年、海外市場拡大に伴い大型化している醸造機械群。巨大プラントに納入される機械は、処理能力の高さが求められ大型化する一方で、フジワラテクノアートの従来製品と同様の精度が求められる。今までの製造方法では海外市場の需要に対応できなくなる。 フジワラテクノアートが培ってきた技術力と精度品質をさらに高め、 大型プラントの需要に対応するための新たなステージとなる工場改革が始まった。

大型横中ぐり盤バーサテック(VERSATECH/Mazak)

2012年、大型横中ぐり盤(BTD-130H.R22)導入。
そして2013年、日本国内初の超大型工作機が導入された。その名もバーサテック(VERSATECH/Mazak)7軸5面加工機(ターニング機能付)。現在、日本国内に一つの超大型マシーンだ。

片山は語る。
「工場内にはもともと3mの正面盤がありました。正面盤とは、工作物を回転させバイトと呼ばれる刃物で削り加工を行う代表的な工作機械です。長年使い続けて来たこの正面盤の老朽化による工作機械の更新を現場から求めていました。それと同じ頃、海外市場への対応にあたり、フジワラテクノアートの醸造機械製品への信頼を築き上げてきた先輩がたの加工技術力、その中でも大物旋削(せんさく)加工技術を次代にどのように継承していくか、という課題もみえてきたのです。」

導入工作機械の検討にあたり、最初はターニング関連の縦旋盤複合機械が候補に挙がっていた。各社見積り段階でMazak社から、旋削テーブルを埋め込んだ5面加工機案が浮上。フジワラテクノアートが求める加工能力を網羅できるか、が大きなポイントであった。
例えば、
・主力製品である製麴装置の円盤中心軸受けの加工が可能か
・2m弱の高さの加工能力があるか
・大物だけでなく、高精度ロータリーバルブのNeoRV-I~NeoRV-Vまでの加工、さらにはその複合加工として一つの工程から全ての加工が可能か
などである。

EPISODE 02

正確さと高精度を誇る新エース

2012年に導入された大型横中ぐり盤(東芝製BTD-130H. R22)。
高速・高精度・重切削に最適な主軸。駆動系の3段変速方式により幅広い速度範囲と高剛性、高トルクの出力を可能にしている。フライス、中グリ、タップなどのあらゆる加工において高能率化を実現し、今や正確さと高精度を誇る新エースだ。この加工機を導入後、はじめてのワークとして全長6mの大型製麴ドラム(麴を造る機械)の加工を手がけた。製缶溶接された本体を加工機に載せ、ドラムの開口部の端面仕上げや回転軸の取付座などの加工を行った。

片山は語る。
「これまでは、現合にて芯出し合わせにより、熟練社員が手作業で回転軸の調整工程を行っていました。これはセンスと高度な技術が必要で、製缶されたドラム本体に、別に旋削加工した駆動軸と従動軸を取り付け、両軸がブレずに回転できるように調整した後、軸を外してその端面を再度加工し、取付を行います。それが大型横中ぐり盤導入により、機上にて通り芯が確認でき、そのまま加工することで、後の調整を不必要とした高精度な組立が可能となりました。また、ドラム開口部の加工については、従来、最終仕上げを施したフランジを溶接して、そのひずみ分を手仕上げで修正していました。その作業を機械化し、精度向上と作業工数の削減に努めています。」

大型横中ぐり盤は、多様な加工ができることが大きな魅力だ。オーダーメイドの自社製品部品の多くがこの機械から生み出されている。

大型横中ぐり盤
EPISODE 03

超大型マシーン「バーサテック」導入

2013年、旋削テーブルを埋め込んだ超大型マシーン バーサテック(VERSATECH/Mazak)は、フジワラテクノアートが日本国内で初めて導入した。
バーサテックは、人工衛星、航空機から、車や家電など私達に身近なものまで、あらゆる工業製品の部品や製品の金型、更には、その工業製品を作る機械部品までを作り出すことから「マザーマシーン」と呼ばれている。導入当時はツアーが組まれ、全国から最新機械を見に多くの工場見学者であふれた。バーサテックは複雑形状部品も多面割出高精度位置決めにより最小の段取り回数で加工を行うことができる。導入により、製缶された大型の溶接構造物のひずみを押さえ、さらには、組立、据付時の負担軽減が図れ、より精度の高い機械の納品が可能となった。

導入直後からバーサテックに向き合う藤原は語る。
「もともと旋盤士だったので、その経験を生かしながらバーサテックの性格を知る試みが続きました。操作してみて、思った通りに動かなければどこをどうすればいいかプログラムを直す、修正と試行錯誤の連続でした。工場長にアドバイスをいただいたりしながら、チームで解決策をみつけるという工程の繰り返しです。バーサテックは、一度位置を決めると、多面での同時加工が可能なため、旋削テーブル上で様々な加工が可能です。導入前では加工物が大きく、そして加工面が増えるほどに大変だった段取りが、最小限ですみます。多面割出高精度位置決めと高速、高出力切削により、製品の品質向上と生産性向上を一手に叶えることができます。」

バーサテック(VERSATECH/Mazak)
EPISODE 04

7軸5面加工が生み出す世界へ

今までは一面一面の加工工程だったものが、5面同時加工が可能になった。しかし、可動軸は7軸にもおよぶため、そのプログラムは複雑だ。加工製品も大型化しているため2人体制をとっている。後輩育成も、完全にマンツーマンだ。

藤原は語る。
「導入後、オペレータががらりと変わりました。現在、現場の全員が使えるように、交代制で工作機械の運用にあたっています。当初はバーサテック担当でしたが、今は大型横中ぐり盤を扱っています。弊社製品は同じものがなく、ほとんどがお客様の要望にお応えするためのオーダーメイドです。そのためこれらの新しい工作機械を使いこなし、複雑なプログラムをいかに効率よく作成するか、ということが求められます。オペレータ全員が早く使いこなし、稼働率を上げていくことが求められます。」

2013年入社の楢原は語る。
「入社初年度は研修期間で様々な部署を回りましたが、2年目から製造部機械加工チームに正式配属されました。ちょうど大型横中ぐり盤とバーサテックの2つの新しい工作機械が導入されたばかりでした。製造部に配属されて2年目ですが、回転式自動製麴装置部品などの自社内製部品加工に主に携わり、図面通りにステンレスや鉄を加工する作業を担っています。」

楢原とペアを組む片山は語る。
「新しい工作機械については自分もまだまだ勉強することがたくさんあります。40代30代20代のメンバーが教えあいながら、学びあいながらの毎日です。今は、代々引き継がれて来た醸造機械がこの2機の工作機械によって更なる精度を兼ね備えた製品としてつくれること、それが更なる工場の進化にも繋がると思っています。醸造機械だけでなく一般食品向け機械の開発にも力を入れている中で、難度の高い加工が増えてくることが考えられます。加工の経験を積み重ね、様々な課題をクリアしながら、2機の工作機械の能力をさらに発揮できる場面も増えてくると思います。すごい力を秘めている機械だと思っています。」

楢原
「可動軸が多いバーサテックはプログラミングが従来の工作機械とは全く異なります。何が違うか、二人の目があることで気づくことがある。なんで?という小さな疑問からこうすればいいのではないか?というアイデアも生まれるため、相談も積極的にします。」

片山
「私の場合、どうしても経験がある分、旧来の加工方法に固執しているところもあります。ただそれだとうまく行かないことも...。楢原くんからの意見や発想は、はっとさせられることも多い。新しいやり方を思いつくこともあり、世代間の感覚差とアドバイスはとても大切だと思っています。私は、約25年前にも新しい工作機械を導入したときをみています。その時も先輩がたが試行錯誤しながら加工技術を高めていた。フジワラテクノアートの醸造機械製品はそういった環境のなかで精度を高め、信頼を獲得してきているのです。今回の新しく導入した工作機械への期待はものすごくありますが、同時にプレッシャーももちろんあります。でも今の私たちには、工場長をはじめとする圧倒的な技術と経験を持った頼れる先輩方がいることがとても心強いです。やるしかない、それが今の気持ちです。」

機械を使いこなすのは人。現場の人間の技術力、人間力、そして創造力が必要だ。人と機械のスペックがそろってはじめてその機械は生きてくる。
自分たちで作り上げていく可能性と達成感を味わいながら、若手技術者の挑戦はつづく。

バーサテック(VERSATECH/Mazak)大型横中ぐり盤バーサテック(VERSATECH/Mazak)
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株式会社フジワラテクノアート
マイナビ

フジワラテクノアートは、2014年に創業80周年という大きな節目を迎えました。醤油、味噌、清酒、焼酎などの醸造分野で、麴づくりの全自動無人化への道を切り開き、国内の製麴分野で約80%のシェアを誇るなど、その卓越した技術力は各方面で高く評価されています。また一般食品やお菓子、バイオなどの分野にも幅広く展開しています。弊社の強みは、オンリーワンの醸造生産技術。伝統食品を支えてきた職人の匠の技を最新の制御技術により知能化し、近代的な自動生産システムを構築できる点です。私たちと一緒に「オンリーワン」の仕事をしてみませんか。


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